ヒプノセラピーの歴史

ヒプノセラピーの歴史を古代エジプトから現代まで詳しく解説。催眠療法のルーツや名高き医師たちの功績を専門家が分かりやすくまとめました。催眠の変遷を知る決定版ガイドです。

ヒプノセラピーの歴史は催眠の歴史でもあります。催眠のルーツは古く、古代エジプト・ギリシャへとさかのぼります。欧米では18世紀後半から研究者や医師らが心理療法としての催眠療法(ヒプノセラピー)を使い始めますが、その変遷の物語を紹介いたします。

古代:エジプト・インド・ギリシャ

エジプトの古代都市サッカラにあるイムホテプの神殿は、紀元前3世紀後半は癒しの中心部でした。催眠の起源は紀元前のインドやエジプトの神殿や寺院で行われていたことが現存するパピルスに記されていることが報告されています。

古代エジプトの癒し

古代エジプトのパピルスに記された癒しの儀式

■ 眠りの寺院(Sleep Temple)

眠りの寺院 Sleep Temple」と言われるこの慣習はギリシャへと伝わって行きました。病んでいる人は神々からの治療法を求めて神殿にやって来て、ハーブを使った長い儀式と何時間ものリズミカルな祈りの後、特別な暗い部屋に導かれ、目を閉じて、治療法を明らかにする夢を待ったと言われています。
ギリシャではこの寺院は医学の神であるアスクレピオスに敬意を表して建てられ、アスクレピオスと呼ばれていました。

アスクレピオスの眠りの寺院

ギリシャの神殿で行われていた「眠りの儀式」

16世紀:医化学の夜明け

パラケルスス

パラケルスス

■ パラケルスス

16世紀になるとスイスの医師パラケルススが磁石と催眠の暗示を使って癒しを行っていました。彼が初めて磁石を使ったヒーリングを施術した医者です。彼は独特の原理に基づく治療法・診断法を唱え、錬金術の研究から、これまでの医学に化学を導入しました。

酸化鉄や水銀、アンチモン、鉛、銅、ヒ素などの金属の化合物を初めて医薬品に採用した業績から「医化学の祖」と呼ばれています。彼は水銀を使った梅毒の治療や鉱山労働者の職業病である鉱山病、精神病理などの個別研究も多く行っていました。

17世紀:アイルランドの「なでる人」

バレンタイン・グレイトレイクス

バレンタイン・グレイトレイクス

■ バレンタイン・グレイトレイクス

17世紀になるとアイルランドのヒーラー、バレンタイン・グレイトレイクスが登場します。彼は病んでいる人に手をかざし、あるいは磁石を使ってヒーリングを行い、「The Stroker」(なでる人)と呼ばれ、痛み、痛風、リウマチ、けいれんなどは、彼の接触によって症状が止まったと言われています。

しかし、異常な治療を行っているとされ、アイルランドで施術を禁じられてしまいました。彼の実績は1666年にオックスフォードで印刷されたパンフレットに記されており、後に多くの人たちの署名により、その功績が見直されました。

18世紀:メスメリズムの誕生

フランツ・アントン・メスメル

フランツ・アントン・メスメル

■ フランツ・アントン・メスメル

18世紀になると、イエズス会の牧師マクシミリアン・ヘル神父が磁石を使ったヒーリングを行っていました。その弟子であり、後に有名になったのが医師のフランツ・アントン・メスメルです。

当初は「流血療法」を併用していましたが、偶然発見した暗示による止血をきっかけに、磁石なしのヒーリングへと移行します。彼の手法は「動物磁気(メスメリズム)」と呼ばれました。

パリでの活動

メスメリズムの施術風景

パリへ移ったメスメルは、ルイ16世やマリー・アントワネット時代の特権階級相手に成功を収めますが、同業者の反感を買い、諮問委員会によって「異端」とされフランスを追放されます。しかしメスメリズムは多くの研究者に影響を与え、その後の心理療法の礎となりました。

19世紀:近代催眠の確立

ジェームス・ブレイド

ジェームス・ブレイド

■ ジェームス・ブレイド

イギリスの外科医ジェームス・ブレイドは、メスメリズムが磁気による物理作用ではなく、暗示による心理生理学的な現象であることを看破し、ギリシャ語のhypnos(眠り)を語源とする「催眠(ヒプノティズム)」と命名しました。彼は今日「近代催眠の父」と見なされています。

ジェームズ・エスデイル

ジェームズ・エスデイル

■ ジェームズ・エスデル

同時期、インドで活躍していた医師ジェームズ・エスデイルは、催眠を麻酔として利用し、2000件以上の手術を成功させました。しかし、帰国後のイギリス医学界からは反発を受け、クロロホルム(化学麻酔)の発見により、催眠による痛みのコントロールの議論は一時沈静化することとなります。

アンブロワーズ・オーギュスト-リエボー

A.A.リエボー

■ A.A.リエボー

1866年、医師リエボーとベルネームによりフランスに「ナンシースクール」が設立されました。ここでは精神分析の祖フロイトも催眠を学んでいました。

ウィリアム・ジェームズ

ウィリアム・ジェームズ

■ ウィリアム・ジェームズ

1875年、アメリカで初の心理学講義を開始したウィリアム・ジェームズ。彼は後の認知心理学やトランスパーソナル心理学に多大な影響を与えました。

エミール・クーエ

エミール・クーエ

■ エミール・クーエ

薬剤師であったエミール・クーエは、自己暗示(プラセボ効果)の高さに注目し、「クーエ療法」を確立。パリやニューヨークに研究所を設立し、自己暗示法を世界に広めました。

20世紀:アメリカでの発展と現代ヒプノ

ミルトン・エリクソン

ミルトン・エリクソン

■ ミルトン・エリクソン

精神科医ミルトン・エリクソンは「天才催眠療法士・魔術師」と呼ばれ、相手のすべてをリソースとして活用する「ユーティライゼーション」という革新的な手法を確立しました。

G.H.エスタブルックス

G.H.エスタブルックス

■ G.H.エスタブルックス

ハーバード大卒、戦時中の催眠の権威。エリクソンとは対照的な、直接的・権威的な催眠誘導を特徴とし、兵士のメンタルトレーニング等に活用しました。

デーブ・エルマン

デーブ・エルマン

■ デーブ・エルマン

即効誘導法を確立し、アメリカの医療現場での催眠利用を常識に変えた権威。彼の功績により年齢退行技術も大きく発展しました。

A.M.クラズナー

A.M.クラズナー

■ A.M.クラズナー

米国催眠療法学院を設立し、ヒプノセラピーを世界的に広めた第一人者。著書「あなたにもできるヒプノセラピー」はバイブルとして知られています。

ブライアン・L・ワイス博士

ブライアン・L・ワイス博士

■ ブライアン・L・ワイス

精神科医。恐怖症の患者に年齢退行催眠療法を行っていたところ、患者がある時、過去世へと退行したことをきっかけに、トラウマが癒されて行きました。

著書『前世療法』

この実録が『前世療法』という著書に記され、世界中にこの療法が広く知られることとなりました。

1951年、世界最大のセラピスト団体
米国催眠士協会 National Guild of Hypnotists (NGH)が設立されました。

歴史に裏打ちされた催眠の力は、
現代でも多くの人生を劇的に変えています。

偉人たちが確立し、磨き上げてきた「潜在意識へのアプローチ」。
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